残業代問題・解雇問題・労働災害問題・使用者責任問題などの、「会社(使用者側)」の労働問題・労働者トラブルの解決をサポートする弁護士事務所です。
〒604-8162 京都市中京区烏丸通六角下る
七観音町623 第11長谷ビル2階

【受付時間】平日 10:00〜18:00

事前相談予約で夜間・土日祝日も対応

  1. 社長が知っておきたい、法律問題を未然に防ぐヒント
 

社長が知っておきたい、法律問題を未然に防ぐヒント

0 はじめに
  タイトルに関する問題に関しては、一見単純そうですが、複数の争点を含む意外に厄介な問題です。
  自身なりの解決策を述べさせて頂きます。※ 正解がないテーマと思料されるため、参考までに、ご
  確認下さい。
1 Q
  欠勤を繰り返す従業員が、メンタルヘルスに罹患し、●月間の療養を要する旨記載された診断書及び
 退職届を送付してきました。退職届には、●月間の休職後、退職する旨記載されています。復職するこ
 とが期待できない場合に復職を認める必要があるのでしょうか。
2 A
 ⑴ 休職制度
  ア 確かに、休職制度は、一般的に解雇を一定期間猶予し、解雇から従業員を守る制度だと説明され
   ることがあり、復職が期待できない以上、休職は与えないという措置も考えられます。
    他方で、休職は、法律上の制度ではなく、休職制度の設計・運用は、就業規則等の規定による以
   上、就業規則等の趣旨、規定等によっては、一概に、復職が期待できない以上、休職は与えないと
   考えることはできません。
    そこで、まずは、Qの事案を防止する可能性を高めたい場合には、就業規則等に、復職を前提と
   しない休職は認めない旨規定すべきだと思います。ただし、使用者都合(原因)による休職には注
   意が必要です。
  イ 休職の原因
    業務に起因する疾病なのか私傷病なのかで取り扱いが異なります。
    後者の場合、就業規則等で、休職の場合、無給とできても、前者の場合、危険負担により、使用
   者が、従業員の給与相当額を負担することになり兼ねません。
    そのため、Qの事案では、休職が、業務に起因する疾病なのか私傷病なのかを分析する必要があ
   ります。
 ⑵ 日本ヒューレット・パッカード事件(最判平成24年4月27日)(以下「本件事件」といいます。)の要旨
   精神疾患によって欠勤を継続している従業員に対し、欠勤に正当な理由なく無断でされたものとし
  て諭旨解雇した事案において、健康診断を実施するなどした上で、休職等の処分を検討し、その後の
  経過を見るなどの対応を採るべき旨言及し、諭旨退職を無効としました。本件事件は、普通解雇の事
  案でも参考になる旨言及する文献もあります。
 ⑶ Qの事案
   Qの事案は単なる退職届の提出ではありません。休職を条件とした退職届です。そのため、従業員
  において、休職が認められないのであれば、退職を撤回するという可能性があります。使用者におい
  ては、従業員の意思を慎重に判断する必要があります。
 ⑷ まとめ
  ・ 休職制度の有無、趣旨、内容等を確認しましょう。
  ・ 休職が業務に起因する疾病なのか私傷病なのか確認しましょう。
  ・ 休職を条件とした退職届であることを前提に慎重に対応しましょう。
  ・ メンタルヘルスの従業員に対しては、本件事件を踏まえ、慎重に対応しましょう。

                                            以 上
  
 

かつて回転寿司チェーン店を展開する会社の社長が、かつて在籍していた同じ回転寿司チェーン店の会社の営業秘密を不正に取得したとして問題となった事案がありました。
営業秘密は、会社にとって重要であり、ライバル社に流失すると、取引に利用され、損害を被ることになり兼ねません。
特に、退職した従業員がライバル社に転職したり、独立する際、顧客名簿、仕入れ値、規格書等の秘密情報を持ち出す事例は、
多いものです。
同事例は、不正競争防止法上の営業秘密に係る不正行為に当たる可能性があります。ただ、同不正行為に当たるための要件は、
厳格であり、会社としては、秘密情報の管理を徹底しておかなければなりません。秘密情報の管理にはコツがいるので、不安な
場合は、専門家のアドバイスを受けた方が良いです。
以下、営業秘密に係る不正行為に関し、まとめたので、参考にして下さい。
営業秘密に係る不正行為(不正競争防止法2条1項4号~10号)の類型 →刑事罰 有(21条1項)
  誰から 誰が 何を どうした 主観 適用除外①取得時の善意・無重過失→悪意・重過失に転じても取引によって取得した権原の範囲内での使用・開示の適用除外(19条1項6号) 適用除外②15条1項(消滅時効・除斥期間)の経過後の物の譲渡等(19条1項7号)
4号前段 営業秘密保有者 取得者 営業秘密 不正取得  
4号後段 営業秘密保有者 取得者 不正取得した営業秘密 ・使用
・開示
 
5号 営業秘密保有者からの取得者 転得者 取得者によって不正取得された営業秘密 ・取得
・使用
・開示
・悪意
・重過失
6号 営業秘密保有者からの取得者 転得者 取得者によって不正取得された営業秘密を(善意・無過失で)取得した後 ・使用
・開示
・悪意
・重過失
7号 営業秘密保有者 取得者 正当に示された営業秘密 ・使用
・開示
図利加害目的
8号 営業秘密保有からの正当に示された営業秘密の取得者 転得者 不正に開示された営業秘密 ・取得
・使用
・開示
・悪意
・重過失
9号 営業秘密保有からの正当に示された営業秘密の取得者 転得者 不正に開示された営業秘密を(善意・無過失で)取得した後 ・使用
・開示
・悪意
・重過失
10号 生産者 ・取得者
・転得者
※ 取得後悪意・重過失になった者を除く。∵6,9号に相当する規定なし。
営業秘密のうち、技術上の秘密の不正使用により生じた(ex)製造された)物 譲渡等 ・悪意
・重過失
※ 営業秘密:①秘密管理性②有用性③非公知性

ご予約・お問い合わせ

残業代・未払賃金のトラブル、解雇に関するトラブル、降格・配置転換・出向に関するトラブル、ライバルへの転職(競業避止義務違反)トラブル、企業の事故等のトラブル・・・

そのトラブル、会社に大きな不利益をもたらしてしまうかもしれません。

企業の労働問題に強い弁護士に相談しませんか。

※メール・お電話での法律相談は受け付けておりませんので、予めご了承下さいませ。



烏丸六角法律事務所

〒604-8162 京都市中京区烏丸通六角下る七観音町623 第11長谷ビル2階 [≫アクセス]


  • お電話でのご予約・お問い合わせはこちら
    075-746-3920
    【受付時間】平日 10:00〜18:00(土日祝休)

    事前ご相談予約で、夜間・土日祝日も対応。

  • インターネットからのご予約・お問い合わせはこちら
    インターネットからのご予約・お問い合わせはこちら

    ネット予約は24時間受け付けております。